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沖縄に来てから、月を見上げることが増えたような気がします。周りの人との会話でも、「今日は十三夜だね」とか「今夜は月が明るい」とか普通に言っている、東京に住んでいた頃は全くなかったことです。そんなこと言う人、いなかった。それどころか、今思えば、月の存在すら忘れていたに違いありません。
「月は(満月よりもむしろ)十三夜が美しい」といった歌詞の、八重山の民謡【★1】がありますが、そんな旧暦8月の十三夜、石垣島では「とぅばらーま大会」【★2】が開催されます。
「とぅばらーま」とは、八重山地方を代表する唄で、私も大好きな名曲。農作業を終えた夕方の帰り道に、どこからか聞こえてくる、というイメージの、ゆったりとした唄です。また、知られている歌詞が何通りもある他、即興で作詞して唄ったりもするため、10人が唄ったら10通りの歌詞になります。
この「とぅばらーま」の、いわゆる「歌唱コンクール」が「とぅばらーま大会」です。毎年、新栄公園の屋外ステージ、月明かりの下で、いわゆる「素人」の方々が歌唱力や自作の歌詞を競い合います。「素人」とはいっても、県内外の多くの参加希望者の中から予選を勝ち抜いているので、かなりレベルは高そうです。
さて、私は残念ながら石垣島の(元祖)「とぅばらーま大会」にはまだ行ったことがありません。
しかし今年は、沖縄本島の糸満観光農園【★3】でも、9/24に第一回の「とぅばらーま大会」が開催されたので、早速行ってきました。
私の通っているしま唄サークルの「タクミくん」(中学生)と「モハメド」(チュニジア人)も出演するので、ぜひ応援しなくては!
会場に行ってまず、車の多さにびっくりしました。糸満観光農園ではかなり広い駐車場があるのですが、全然入りきらず、駐車場に続く道が渋滞!仕方がないので、係の人の指示に従って歩道に止めました(余談ですが軽自動車でよかったと思う瞬間です)。それから、屋外ステージの周りも人がたくさん、大盛況です。
沖縄の人たちは、「芝生にゴザを敷いてビールを飲みながらステージを見る」ような屋外のイベントが大好きなんです。
今回の出演者は24名、次々とステージで唄を披露します。やはり八重山出身の方が多いようです。他府県や沖縄本島出身者は「○○県出身 ○○さま」「那覇市出身 ○○さま」と紹介されるのに対し、八重山出身者は「石垣市新川出身」というように、詳しい地名で紹介されるのも「とぅばらーま大会」ならでは。
笛や太鼓の有無等バックバンド(!?)の構成、(もちろん)唄う歌詞やキーも人それぞれ。熱唱に対し、客席では拍手や指笛で盛り上がります。
「タクミくん」と「モハメド」は22番目、23番目に続けて出演しましたが、それぞれ普段聞いている以上に見事な唄いぶり。
いつもは実力を隠しているんですね・・・。
さて、全員が唄い終わった後、審査員の先生方がそれぞれ、地方ごとの「とぅばらーま」を披露して下さいました。地方により全然「別の唄」になっていて、とても興味深いものがありました(でもやはり私は大工哲弘先生の唄った「とぅばらーま」が一番大好きで、聞いていると涙が出そうになります)。
そして、結果発表。
「タクミくん」は奨励賞に、そしてなんと「モハメド」は優勝してしまいました!聞いたときから「ひょっとして一番上手いのでは」と思っていましたが、八重山出身者が多い中、外国人の彼が優勝するなんて、本当にすごいコトです。
すぐに舞台裏?に走りましたが、彼は既に「おめでとう!」を言う人たちに取り囲まれ、なかなか近寄れない状態でした。なんとか私もお祝いを言い、大騒ぎに加わったのでした。
ちなみに、彼も「タクミくん」も商品としてお酒(泡盛)をもらいましたが、「タクミくん」は中学生なので勿論、「モハメド」も宗教上の理由で飲めません。「先生が大喜びだよ!」と誰かが言ってました・・・。
夜は風が出て少し涼しくなってくるこの季節、月明かりの下のステージで唄うのはとても気持ちがよさそうで、客席の私たちも気持ちよく楽しめました。
沖縄ではこのような、民謡の「大会」【★4】がたくさんあるので、これらも是非聞きに行ってみたいと思います。もちろん、石垣島の「とぅばらーま大会」は、いつか必ず行くつもりです。
(本当は参加したいのですが、まだまだムリでしょう・・・)
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